横濱タウン新聞
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ハートクリニック・浅井院長

ハートクリニック
鎌倉市大船1-22-9 湘南大船ビル4F
0120-313-888
JR大船駅東口、湘南モノレール大船駅から徒歩1分
http://www.e-heartclinic.com/ 
心療内科・精神科
診療時間 午前(9:00~13:00) 午後(14:00~20:00)
休診日は原則、年末年始のみ

軽症うつ病

うつ病をなおす認知行動療法
仕事から子育てに転じた女性
小学生に多いLD(学習障害)
退職した夫と暮らす妻のうつ(前編)
退職した夫と暮らす妻のうつ(後編)

軽症うつ病の診断には若い人も気軽に来院します


軽症うつ病は増えてきたのでしょうか?

統計的な検証はなされていないと思いますが、実際の診療場面に携わっていると、疑いをもって来院する人が増えてきたことは感じます。若い人たちは、インターネットや本を通して自分の症状と照らし合せて来られる。うつ的な症状を呈する人が増えたというより、うつ病への社会的関心・認知度が広まってきたのかもしれません。  

どんな症状で来院されるのでしょう?

身体がだるい、集中力がない、仕事や学校、家事は何とかこなしているが休日は一日中横になっている、気分が沈む、テレビや雑誌の中味が頭に入ってこない、周りの出来事に興味がもてなくなったなどです。

最近はどんな傾向がありますか?

10年位前に比べて、軽症化の傾向が見えますが薬の効果もあるでしょう。昔の薬は、症状よりも副作用のデメリットのほうが強く、改善効果とのバランスから治療を放棄させられたケースもありました。今はいい薬が使えるようになって治療効率が高くなりました。  

診療はどのようにすすめられますか?

問診票に記入、理学的所見をとり、診断面接が行われるので、初回で安易に確定診断を下すことはあまりありません。ゆっくりと対応します。身体的検査(血液検査など)や詳しい心理検査をすることもあります。本人のプライバシーは守られます。  通院回数は週1回、2週に1回、月に1回と減らしていきます。中等度から軽いものなら大体3ヶ月で方向性が見えてきます。

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 若いお母さんにみられるうつ症状は周囲の協力が大事


若いお母さんに見られるうつ病はなぜですか?

実家で出産後、自分の家に帰った若いお母さんが、うつ症状になるのはとても多いケースです。産褥期うつといわれますが、ことの本質はそこにはありません。
学生時代は男子と一緒にまじめに学習してきた女性でも今の教育カリキュラムでは子育てに関しては全くトレーニングを受けていません。それを、1ヶ月ほどして「自分の子どもは自分で育てるべき」と実父母から離れてしまえば育児に戸惑うのは当然です。
夫が夜遅くまで仕事に没頭していて全く育児に関わらない状況で、育児書片手に若い女性がひとり奮闘しても、いずれ苦しくなります。子育ては一人でできるものではありません。夫とふたりでもまだ難しい。育児に理解のある夫でも、時間とエネルギーを子育てにとられれば、当然仕事の生産性が落ちてきて、追いつめられてきます。

それではどうすればいいでしょうか?

子どもの自立と称して、若い人たちを無教育のまま育児に向かわせるのは間違いです。子どもは、おじいさんやおばあさんを巻き込んで、多くの人の手を借りて社会で育てられるべきです。米国のようにハウスキーピングやベビーシッターシステム、男性の育児休暇システムが社会に広がらないといけません。  とりあえずは双方の両親の協力を得て「みんなで子どもを育てる環境」を作りながら、回復への見通しをたてることが必要です。

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うつ病をなおす認知行動療法 物事の捉え方を変え自分を苦しめない思考をする


認知行動療法とはどんな治療法ですか?

1960年頃に開発された治療法で、70年代に英国、米国を中心に広がりました。物事の捉え方と行動の関係を見つめなおす方法で、軽症から中等症のうつ、不安障害などに有効です。
たとえば、人との待ち合わせについて考えて見ますと、待たされると腹をたてる日本人はとても多い。一方、アラブ人は待たされてもあまり腹をたてないといいます。同じ現象に対しての捉え方が、違うのですね。日本人は待たされたことに「無駄な時間を過ごしてしまった」と思い、意識の深い部分で「自分は尊重されていない」と感じてしまうわけです。ところがアラブ人は「すべてアラーの御心」と捉えます。

物事の捉え方は簡単に変えられますか?

その人が捉われている誤った思考の枠組み(スキーマ)を作り変え、その人にとって「生きにくい」思考を変えることです。
腹立ちや落胆というマイナス感情から、うつ症状は形成されやすいんです。そこで、自分を苦しめない思考を自分で考え出す。このトレーニングをすると、生物学的要因によらない感情的な不快感はかなり消えます。

どんなトレーニングをするんですか?

1セッション60分、12週で1クールです。トレーニング後、自分の内面や日常生活をチェックします。時間がかかりますが、軽症から中等のうつ治療には効果があり、薬を使えない人、使いたくない人にお勧めです。この療法は、同じ症状の10人位のグループで行ないます。薬との併用で回復率は約90%になります。

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仕事から子育てに転じた女性は価値観が狭くなりうつになりやすい


キャリアを中断した女性が子育てに入る時の心配は?

男性同様、仕事をバリバリこなしていた女性が、子育てのために仕事をやめざるを得ない時に受ける衝撃はとても大きいものがあります。彼女たちは、社会でやりがいのある仕事に出会い、やりとげる達成感を味わってきました。そこに生き甲斐を感じてきた彼女たちは、子育てが始まって世界が急に狭まったように感じ、現実と自分がマッチしない状況に追い込まれます。

0歳児を抱えている時が一番危ないといわれますが…

0歳児の育児のときは、社会との関わりが極端に少なくなり、要注意です。この時期に病気にならないようにしたいものです。うつになっていると、思考の柔軟性を欠いた状態にあり、非常に価値観が狭くなります。例えば、社会的活躍にしか価値を見出せないなど…。日本人はそれが甚だしく、執着気質というのが日本人のうつ病を増やしていると言われています。この時期のサポートは非常に大切です。

治療で心の状態は正常になりますか?

治療によりうつ症状が和らいでくると、わりと柔軟に対応できるようになります。子どもが育つ中で、地域社会や上下世代との交流が広がり、自分を豊かにする世界が見えてくるのです。
母親グループや自治会活動などでの予算計画や活動方針の検討などは、中規模の会社の営みに相当しますから…。子どもが2~3歳になるころ、その広がりへの可能性に気づくのです。自治会活動からさらに市民運動へと活躍の場を広げる女性も見られます。

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小学生に多いLD(学習障害)と誤解

 

LDとは何ですか

最近は、LD(学習障害)やADHD(注意欠陥多動障害)をマスメディアが取り上げるようになってから、先生や保護者にLDじゃないかと疑われて当クリニックに来る子どもが増えています。
一般的には、「読み」「書き」「算数」のうちのひとつが極端に劣り、社会生活に問題がある場合をLDと言いますが、子どもたちの多くは、知能検査や問診、観察を続けるうちに、学習能力、学習意欲も充分あることがわかってきます。

その原因は?

「ゆとり教育」で子どもの学力が二極化、塾で先取学習している子どもと、そうでない子どもの学力差が大きくなっていると聞いています。また、お母さんが長い間病気だったりすると、子どもはその期間、家庭学習どころではなく、学習面で遅れが生じたというケースもあります。また、いじめにあって、それが原因で症状が出てきている場合もあります。現実にはその方が大問題なわけです。
子どもの教育環境調査やきちんとした心身の検査もないまま長い間、特殊教育に組み込まれていたというケースもあります。

回復しますか?

この子どもたちは、個別指導を受け教育環境を適切に整えてあげれば、再び成長するのです。
適切なトレーニングを受ければ、社会生活や仕事もカバーできるようになります。子ども時代にいろいろな遊びを経験すること、これが予防に役立つと考えられています。

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退職した夫と暮らす妻のうつ (前編)

 

ご主人の退職がきっかけになって、うつ症状がでてくる主婦の方は少なくありません。
夫が仕事人間で長い間家庭を顧みなかった場合は、特に顕著です。妻として、本来は夫にいてほしいと思っていたのが、現実にはいない。この状況に一生懸命自分を合わせ慣れてしまったところに、全く家事能力のない夫が戻ってくる。これは、妻にとって環境の変化であり、ストレスになります。

大企業などで仕事に邁進してきた男性ですとそこそこに地位があったわけで、奥様に対しても、部下に命じるような物言いになる。あるいは、顧客向けに清潔に設えてあった会社環境を基準に自分の家の中を見回しては、あれやこれや細かく奥様に注意する。妻としては、三度の食事作りも大変になっているところにきて、夫があれこれ口うるさくいってくるのに「今更、何よ。何様のつもりよ」と。

夫婦が些細なことで衝突を繰り返し、お互いに失望していく状況はよくありません。夫との口げんかやイライラは、心理的なストレス因子としては非常に大きいもので、恒常的になると病的な状況が醸し出されてきます。適応障害をきたしている段階といえます。

この段階でなら、ものの見方を変えるトレーニングを受けると、3ヶ月くらいで症状は改善します。「いないものがいる」この状況に慣れることが大切です。

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退職した夫と暮らす妻のうつ (後編)

 

では、どう対処すればよいのでしょう?
動かない夫を動かせばよいかというとそうでもありません。へたに夫が動くと、妻がこれまでに作り上げてきたシステムを壊してしまうこともありえますから。家事の主役である妻が過ごしやすい家を作っていくこと、これを心がけます。せっかくですから、家にいる夫も上手に使う。そうすると、夫のいる居心地の悪い家が、違った風景に見えてくるはずです。もちろん、夫の治療が必要になる場合もありますが…。

夢の老後は、夫婦のコミュニケーションを少しずつ重ねて作り出すものです。子どもが巣立った後、新しい夫婦関係を再構築していくのは、時間がかかります。
「気持ちが落ち込む、イライラする、気だるい、食欲不振、不眠」などの症状が2週間、3週間と続く時には、もっと積極的な治療が必要になります。このようにならない段階での相談をお薦めします。

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中間管理職のうつ

 

30代後半から40代の、特に大企業や官庁の中間管理職の方にうつ病は多いですね。昇進したとたん、なる人も少なくありません。
上司からは過大に期待されて、部下は思うように動いてくれない。そのような環境で、自責感から、自分が仕事を全面的に背負ってしまう。残業に、残業を重ねて、疲れきってしまうのです。

下で働いていた時は、言われたことを精一杯やっていれば上からも評価され、それでよかったのですが、人を使う立場になると、状況は一変します。特に大企業の場合は、中間管理職は人事権を持たない。あてがわれた人材で、仕事をこなさなければなりません。小さいところでしたら、自分が信頼できる人、仕事のやりやすい人をつけてもらえたりもしますが、大きいところではそうはいきません。

また、上位のポストというのは、それなりにできる人が選ばれるわけですから、その人に比べると、下の人たちは働きが劣っても仕方がない訳です。そこを踏まえずに部下に厳しい口調で注文を出す、もしくは部下に仕事を任せず自分で残業してしまう。同期や先輩を抜いて大抜擢されたような場合は、もっと微妙な人間関係をも処理しなければならなくなります。

この前までは友達であったのが、上下関係に変わってしまうのですから。管理職になって急に攻撃的になる人もいますし、下の人も過剰に反応してしまう時があります。

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中間管理職のうつ(続)

 

前号では30代後半から40代の、特に大企業や官庁の中間管理職が昇進などを期にかかりやすいうつ病の経過についてお話しました。

本来、地位が上がれば人を使えるわけで、仕事量は減っていくのが道理なのですが、うつ病になる人の圧倒的多数は、それができません。すべてのエネルギーを上司からの期待に応えること、つまり当面の業績を上げることに注いでしまう。最も良い方法は、部下を育てる方向に目を向けることなのです。部下が育つまで業績が上がらない時期があっても、それに耐える強さが必要です。

会社の多くは、新入社員研修というシステムを持っていますが、中間管理職向けのマネージメントに関わる研修システムを持ちません。公官庁でも、ほとんどないのではないでしょうか。また組織の人員配置に問題がある場合も多く、医療面からのサポートだけでは、この問題はまかないきれません。それでも、「管理職というのは、人に仕事を割り振るのが仕事であり、自分の仕事を増やしてはいけない」と、徹底してこれを頭にたたきこむことが大切です。

回復は、年単位でみなければなりません。過労からうつ病になった場合、つまり体が先に悲鳴をあげてしまった人の方が、医療側が残業規制を入れますし、本人も物の見方や生活習慣、行動を修正することが大切だと気づきますから、回復は早いでしょう。

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五月病とは?

「五月病」というのはマスコミが作り出した言葉で、医学的に「五月病」という病気はありません。が、大学や会社に入ってしばらく経ち、丁度ゴールデンウィーク明け頃に出てくる「元気がない、やる気・集中力がでない、気持ちがすっきりしない」などの病的な状態を一般的に五月病と称しています。

「これから勉強するんだ」とか「社会人としてバリバリ仕事をするんだ」と、彼らは新人として気持ちを膨らませている時期にあたりますが、現実には、大学では思っていた程新しいことを学ぶわけでもなく、会社でも周りは忙しそうに立ち働いているのに、自分はまだまだコピー取りに明け暮れてばかりと、面白くない日常が続くわけです。

大学や企業側も「この時期は新しい環境に慣れる時」とばかりに、オリエンテーション後、彼らを放置してしまう。入学・入社前の希望が失望に変わり、焦燥感に駆られていくのです。

五月病を避けるポイントは、
①サークル活動やバイトで人間関係を築くこと。人間関係が豊かになると情報も得られ、友達ができ、休日などの自分の時間を充実したものに変えられます。
②それまでの環境を維持すること。家族や友人と過ごす時間を大切にし、本人も周りも過度な独立心を期待してはいけません。
③新しい街を知ること。
これから暮らす街の地理的な情報、社会的な情報を得ることは、生活のためばかりでなく、心にとっても大事なことです。休日には歩き回って、街を楽しみましょう。

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肉親の死をどう乗り越える
家族を失うというのは、人生の中で最大級のストレスです。その中でも最大のものは、母親が息子を失った場合と長年連れ添った仲の良いご夫婦が配偶者を失った場合。彼らは人生最大のダメージを受けます。子どもに先立たれた親のダメージは数年から数十年に及びますし、長年連れ添った配偶者を失った人は、亡くされた人の幻影を数年に亘って見ることもまれではありません。肉親の死は、ダメージが重いので回復に時間がかかって当然です。

日本には古来から素晴らしい習慣があります。初七日、49日など、喪に服す時間が与えられており、泣くときに泣けるというのは、後が良いのです。
初七日までは、食欲が落ち、その後少しずつ食べられるようになっても、一ヶ月程度は何となくうっとうしい日々が続きますが、これも正常です。悲しみや寂しさは、そのままでよいのです。それでも健康であれば、少しずつ気持ちは立ち上がってくるものです。

悲しみを癒すにはコミュニケーションの相手が必要です。支え手の存在の有無はとても大きく、両親をほぼ同時に亡くされた方などは、問題が根深くなりやすいので、周りは気をつけなければなりません。

49日を過ぎても、悲嘆にくれていて家から出られない、悪夢を見る、食欲不振や体重減、胸がドキドキする、めまい、息苦しいなどの身体症状がある場合は、早めの医療機関への受診をお勧めします。抗うつ剤がよく効きます。

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介護をめぐるうつ(1)

大家族制が生きていた昔は、長男の嫁が義父母の面倒を見ていました。この頃は、お嫁さん以外の人手(小姑や成長した娘さん)が家族の中にあり、複数の手で介護ができたのですね。

おまけに平均寿命も短いので、介護は数年で済みました。長男の嫁は、この人手を実質的に差配する権利を持っていて、効率的に介護ができたのです。

今は違います。核家族化して若い人達はさっさと独立し、舅(しゅうと)・姑と夫婦という家族構成の中では、介護の担い手は嫁ひとり。しかも平均寿命が延びて、10年、20年という長期に亘って介護に向き合わねばなりません。

寝たきりから亡くなるまでの間が、非常に長い。認知症で身動きのままならない人の世話を一人でしていたら、大半の人が燃え尽きて、介護を放棄してしまう。たったひとりの介護は、「通常は耐えられないこと」と理解すべきです。愛情の問題ではありません。

幸い、現在は介護保険のシステムが整備されてきましたので、早めに自治体の窓口に相談することをお薦めします。家族が必要としていても本人が利用を嫌がるケースが多いのですが、これについては、介護する方の気持ちを優先すべきです。

介護する側の負担感を取り除いてあげないと、本人につらく当たってしまい、結果的に両者にとって好ましくない悪循環にはまるからです。まずは、家族が相談窓口に行きましょう。本人を説得するノウハウもあります。

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介護をめぐるうつ(2)

 

介護に携わる場合、ケアマネージャーや各専門家に相談し、助言をもらってリハビリやケアにあたることは、とても有効です。体位変換の技術ひとつをとっても、背中の支え方など全く違います。それでもうまくいかない場合は、病気がからんでいることがあります。

高齢者特有のうつ的状態が出現しつつある場合、また、被害的・猜疑的な言動がある場合、夜間譫妄(せんもう)が出ている場合などは、精神科医から薬を処方してもらえば、本人はずっと落ち着きます。介護者の心理的負担もずっと軽くなります。

自分がすべてを背負い込む人は、うつに陥りやすいといえます。「自分が頑張らないと…」、「介護は自分の役目」と過剰に思い込んではいけません。介護のトレーニングを全く受けていない素人が、介護を一手に引き受けるのは大変なこと。まして、義理の親であれば、介護者の心理的負担は相当なものです。

また、周りがそう思わせるケースもあります。仕事人間で高齢者の介護問題など考えたこともない男性や、核家族で育ち、お年寄りと生活したことがない人に多く見られます。彼らは、実質的には介護に関わらず、「お年寄りには優しく」とイメージだけで対応する。介護については、一番お世話をする人に対して文句が多いものです。この辺を愛情が足りないからと誤解する人たちに囲まれては、介護者はさらに大変な思いをかかえます。(本紙9/7号に続く)

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介護をめぐるうつ(3)

 

説明は何度も

理解のない夫や家族には、介護者からの物言いより、ケアマネージャーや精神科医など第三者からの説明が有効です。専門家は体系化したカリキュラムで、繰り返し様々な説明を聞かせることができます。一度で分かってもらえなくても、諦めてはいけません。4、5回は続けてください。

介護される側のうつ

身体的機能・認識機能が加齢によって低下していく現実を受け入れるのは非常に難しい事です。特に女性は混乱してしまう人もいます。そして次に来るのが気分の落ち込みです。不安感や気分の落ち込みが目立つ場合は、早めに精神科医をお訪ね下さい。ほんの少しの抗うつ薬で気持ちをコントロールでき、通常の生活に戻れます。認知症初期のうつ状態とうつ病を区別することも大切なことです。身体的な機能低下によってうつ症状が出ているときは、精神科医の判断で、リハビリや整形外科につないでくれるでしょう。

通常の生活の大切さ家に引きこもりがちになることは、認知症の人には致命的なことです。社会的な交流がなくなると、日付・時間に関する見当識が損なわれ、地理的な見当識が損なわれ、最後には人物の見当識も損なわれていくからです。「どこかに出かける」「誰それに会う」という予定のある生活で活動量が戻れば、身体機能も改善します。認知症を諦めてはいけません。認知症でない方は、発症予防になります。

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加齢に伴う うつ(1)

 

年をとって憂鬱になる人が少なくないと聞きましたが…

年老いて気分が弾むことが少なくなるのは、自然なことです。若い頃は、経験することすべてが新鮮で刺激に満ちていたのが、年を経るに従い、物事はすでに見聞きしたことになり、あまり変化のない平穏無事の日々が過ぎていくようになりますから…。

普通の憂鬱とうつ病の見極めは?

憂鬱な気分が何日も続いてしまうようになったときは、問題です。身体がだるい、疲れやすい、やる気が出ないなど。具体的に言えば、庭の手入れや料理をして得られた充実感がなくなってしまった、掃除をしたらさっぱりした気持ち良さが得られたのにそれがなくなってしまった、孫の声がやたらにうるさく感じて仕方がないなど、日頃楽しんでいたことが、つまらなくなってしまったという状況が起きてきたら、注意が必要です。突然やってくる場合も、徐々にそうなる場合もあります。

そのような様子が見られたら、家族は何をすればよいのでしょうか?

同居している家族なら、「ちょっと変だな」と感じたときに、本人に聞いてみることが重要です。「最近、元気がないようだけれど、大丈夫?」とか、「この頃、テレビ見ないのね」「庭いじりしないけれど、なぜ?」と、具体的な場面で普通に聞いてみるといいでしょう。

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加齢に伴う うつ(2)

 

たとえば「腰が痛くてね」という返事なら、様子を見るということでしょうか。

腰痛や頭痛、肩こり、背中の痛みというのは、うつ病の陰の身体的症状の一つとして、よくあることです。こういう人たちの多くは、内科や整形外科などでたくさん薬を処方されても一向に改善されず、長く悩まされていることも少なくありません。怒りっぽい、愚痴っぽい、夜中に何度もトイレに起きるというのもあります。夜間のトイレはぐっすり眠れていない証拠であり、うつ病以外に不安障害も考えられます。加齢に伴う痛みもありますが、身体のあちこちが痛むというのは、軽いうつ病か、もしくは身体表現性障害のひとつに罹っている場合も多いです。抗うつ剤や抗不安剤で、症状のかなりを解消できることがあります。

人暮らしのお年寄りの場合は?

家族や地域の人が定期的に訪問することが大切です。最近のお年寄りはとても元気で、活動性が高い。お部屋の片付けはとてもきちんとなされています。その片付けが行き届いていない時や、口数が少なくなった、問いかけに対する反応が遅いなどと感じられる場合は、要注意です。周りの人がちょっと変だなと感じたときは、精神科への受診をお薦めします。対応が早いほど、症状が悪化せずにすみます。

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いじめにどう立ち向かう(1)

教育現場でのいじめが、今や社会問題になっています。

いじめの被害者・加害者の受診は、少なくありません。どちらかというと、被害者の方が多いのですが、過去には加害者であったりもします。

我が子に対してのいじめが明らかになったら、親はどうしたらよいでしょうか。

いじめも千差万別ですが、子どもが学校に行きたがらない時は、シビアなケースが多いものです。たとえば、多くのクラスメートから連日殴られ蹴られ、廊下を引きずり回されたり、クラス全員に担がれてゴミ箱に入れられたり、クラス中の男子から罵声を浴びせられ続けたケースや、本人が全く存在しないものとしてクラスから無視され続けたケースがあります。まずは、子どもを無理に登校させないこと。これが重要なポイントです。このような激しいいじめを受け、何年間も学校に行けなくなった子どもたちはとても多いのです。これらの多くは、傷害罪や名誉毀損に当たるもので、やってはいけないこと=犯罪なのです。

学校にはどう話を持っていけばよいのでしょうか。

母親が一度くらい学校に相談に行っても、「そういったことはない。考えすぎではないでしょうか。」とかわされるのが大半ですね。心が痛んで友達へのいじめを告発した生徒がいても、本人の訴えがないのだからと封じてしまう教師もいるのです。

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いじめにどう立ち向かう(2)

 

いじめは「わが子を守るのは親である自分達しかいない」と両親が自覚しなければなりません。そして、両親揃って学校側と交渉し、改善を要求することです。母親一人では学校側は、なかなか動いてくれません。両親が揃うことで、学校も事態を重く見ます。教師から学年主任・教頭先生・学校長へと話を上げていく流れでいじめが解決されればいいのですが、いじめ問題に関して有能な先生がいない場合は、放置されてしまいます。その場合は教育委員会に連絡をとることも必要でしょう。

他に対処法は?

相手側の親御さんに協力を求めることも、重要です。いじめに関しては、いじめている側にも問題があることが多いのです。精神科医としては相手の親御さんに接触はしませんが、話し方のアドバイスはできます。

転校というのはどうでしょうか。

安易な転校はおすすめしませんが、現実的な対処法のひとつかもしれません。

いじめについて、最後に一言お願いします。

何ヶ月もいじめの脅威にさらされて、健康な精神を持ち続けられる子どもはいません。今は、いろいろな教育の場がありますから必ずしも、その学校に通い続ける必要はないと思います。また、いじめによって受けた心の傷は、相当長い年月にわたって子どもたちを苦しめます。そのような時はご相談ください。

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ひきこもりの子どもを抱える母親の悩み(1)

最近、お子さんが学校や仕事に行かなくなってしまったという話をよく耳にしますが…

確かに、そういった相談は増えています。3日、4日と休みが続き、それが1週間になると、たいがいのお母さん方は、相当不安になり混乱してきます。学校や仕事に行こうとしない本人に、いろいろ話を聞いてみたり、説得したり、果てはどなりつけ、手を引っ張って力ずくで行かせようとすることも…。そういうことをしてはいけないと分かっていながら、ついつい強く当たってしまうことは、往々にしてよくあることです。この行動自体は、正常な反応なのです。

母親にとって、特に大きな息子さんが動けずに家にずっといることは、非常にこたえますからね。

ではどうしたらよいでしょう

家から出ようとしない本人たちは、学校や職場で大きな問題を抱えていると考えられます。行きたがらない原因を調べなければなりません。

子どもであれば、まず学校の先生に相談して、子どもの生活情報を得る、次にまわりのお母さんからも子どもの置かれた状況を把握するための情報を得る、そして最後にそれらの情報を持って専門家に相談することです。

これらのステップを踏めば、解決の糸口が見えやすくなります。

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ひきこもりの子どもを抱える母親の悩み(2)

 

 原因はすぐに分かりますか

情報を集め、いろいろ話を聞いても分からないときもあります。そのようなときは、重篤な病気が隠れている場合もあります。臨床心理士や精神科医などの専門家だからこそ、その正体を見抜ける場合もあります。心理検査で、見えにくかった原因が出てくることもあれば、年の近い臨床心理士に本心が出てくることもあります。

やはり早期に相談が大切ですよね

異常を感じてから、1年以上経つと、本人の病状が進行するばかりか、お母さんまで心の病気になってしまうこともあります。「私の子育てが悪かったんだわ」と、自責感を持つようになるんですね。また、上の子が小学校高学年の場合、下のお子さんが「学校に行かない」のをうらやましがり、まねをしてしまう場合があります。2人が不登校となっては、お母さんの落胆は非常に大きくなりますから、やはり早期相談が大切です。専門家の医者の側から、上のお子さんの病気を噛み砕いて説明すると、下のお子さんも納得してくれます。

大きいお子さんは、素直に専門家のところへ一緒に行くとは限りませんよね

最初はお母さんが1人で来て下さっていいのです。状況が分かってから、本人のもとに往診することもできますから。診断がつけば、その場でお薬を飲んでもらうこともできます。

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ひきこもりの子どもを抱える母親の悩み(3)

親として気をつけることはありますか?

子どもの状況を受け入れられずに、八つ当たりをしてしまう親がいます。これは子どもにとって非常にきついことで、大問題です。親は気持ちをコントロールすることを学ばなければなりません。

子どもと同じ先生でいいのですか

昔と違い、今は状況全体が見えやすい、コミュニケーションも取りやすく効率的ということで、同じ先生が良いでしょう。

 ひきこもりは治りますか

病気の種類によって違ってきます。治るものも治らないものもあります。しかし治らないものでも、最終的には、通院である程度よくなり悪化させないことができます。加えて、家族が病気のお子さんとうまく共存できるようになります。病気のお子さんの面倒を見るためには、母親が元気じゃないといけません。ですから、当院では積極的に母親へのサポートをします。

 女の子、男の子の特徴はありますか

女の子の場合、母親が元気になると引きずられたように共に元気になっていきます。父親が適切に関わってくれると、さらにいいですね。子どもは周りの環境に影響されやすい存在ですから。
男の子の場合、父親とコミュニケーションがあれば、社会性が保たれているといえます。父親とのやり取りができるようになれば、回復してきたという目安になります。

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家族のうつに 巻き込まれないために(1)


 いろいろなケースの『軽症うつ病』について、うかがいました。家族のうつ病にはどう対応すればいいでしょうか。

うつ病を患っている家族がいても、他の家族に憂鬱が伝染するようなことはありませんが、周囲が過剰に反応し、疲れきってしまうということはよくあります。本人とのやりとりに苛立ったり、先のことを考え暗澹たる気持ちになったり…。病人への適切な対応が分からないため、家族にも混乱が生じるのです。

それではどのように?

他の家族は、通常の規則的な生活を続けていくこと、これがとても重要です。『うつ』の場合、風邪などのように1~2週間頑張ればよくなるということではありません。長期戦になりますから、病人の生活を優先していると、家族の気持ちは続かなくなります。周囲の家族が疲れてくると、病気を抱えた本人の要求が、理不尽でわがままなものに思えてきて、本人につらくあたって関係が悪くなり、病気も悪化してしまうという悪循環に陥ってしまいます。

家族が余裕をもって病気を抱えた人を支えていくことが大切です。誕生日会や法事など家庭の行事は普段通り行いましょう。本人が参加するしないに関わらず、です。そして、本人に参加を無理強いしないことも大切です。緊張を要する場に連れて行く必要はありません。本人の気持ちを優先してあげてください。

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家族のうつに 巻き込まれないために(2)

 

では、家族はどのようにサポートをしたらよいのでしょう?

病状が軽い場合は、病人を「そっとしておく」ことが大切です。

静かに見守るということで、「放っておく」というのとは、違います。外出も、「今は控えてください」という時期もあります。医師のカウンセリングやアドバイスを受けながら、家族も

臨機応変に対応をしていくことになるでしょう。

そばにいるほうが、一緒にいる方が安心という家族もいますね。

病気を抱えている人に、外出や参加を強制する必要は、全くありません。相手が参加しないことで、うしろめたく感じたり、自分自身が不安になるなどの葛藤を感じるというのは、介護者本人に問題があることがあります。家族のほうが、「その人にいてほしいと思っている」ことが少なくありません。相手を自分の一部としてとらえてしまっていて、自分と他人の区別がついていないとも言える場合もあります。

子どもと離れられない母親がときにいますが、分離不安障害や不安障害のケースもあります。「そっとしておける」家族をもっている患者は、しばらくすれば問題なく良くなっていく方が多いものです。「そっとしておく」という常識的な対応ができないという人の方に問題があることが少なくありません。そのような場合には、家族にもカウンセリングが必要な場合もあります。

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ストレスによる不育症


ストレスによる不育症というものがあるそうですね。

母体に過度のストレスがかかれば、胎児の成長が止まってしまうことがあります。当然、
流産・早産の原因にもなります。体質的な問題から流産を繰り返す人もいますが、ストレス性の流産もあります。
婦人科的に問題がないのに流産を繰り返す場合、心理的な問題が潜んでいるケースは高いといえるでしょう。

それではどうしたらいいでしょうか。

まずは、婦人科で診てもらい、問題が無い場合、精神神経科に相談してみてください。
何回目くらいで、という目安は無いので、ご自分で判断して下さい。

どんな検査をするのですか。

問診や心理検査をすると、ご自身が意識していないところの問題が明らかになる事が多いです。「たまたまうまくいかない」ことが繰り返されて、それ自体がストレスになってしまう場合もあります。職場や姑などとの人間関係もストレスの要因となります。

先生からそれらを指摘されることで、事態は改善していくのですか。

一度の指摘ではわからない人が多く、時間がかかります。日常のささいなことで、小さなジャブを繰り返し入れられるというのは耐えているはずなのですが、ストレスとして見
えにくいのです。「これくらいは当たり前」と思っていたりしますから。問診・心理検査で分かることもあります。ぜひご相談を。

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子育て中の虐待をとめるために

児童虐待とは?

児童虐待の専門家たちは、赤ちゃんを強く揺する、食べ物を与えない、返事をしない、怒鳴り続けるなどの精密な分類をしていますが、基本的には「充分な養育をしないこ
と」が虐待です。

「強制力をもつ行為は全て虐待?」という親の当惑。

一通り叱って、心の中で「もういいかな」 と分かっても止まらない。これが何日も続いたら赤信号です。

そうならないために

複数の目で子育てをすることです。他の大人の目があると、暴力的行為に歯止めがかかります。ただし、若い夫婦の場合は要注意。

歯止めがきかなくなった母親と仕事に手一杯の父親の組み合わせは危険です。母親が子どもを叱ってばかりで夕食の支度に手が回らないところに、仕事に疲れた父親が帰ってきて、「うるさい」と子どもをたたく男親は実に多い。二人が興奮状態になり、夫婦揃って子どもに折檻したら、手遅れです。こうなる前にできることは三つ。

①双方の両親に助けを求める ②お金を払って託児所を利用する③児童相談所に相談する子育ての鉄則は無理をしないこと。一人での子育ては、おいつめられる。虐待を止める最高の組み合わせは母親に実母が協力するパターン。女性2人の組み合わせで、子育てはほぼ安定します。「子育ては夫婦で」と思う男性には、ほぼ定時で帰宅でき、休日もしっかりとれる職場を選ぶことをお薦めします。

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誤解されているPTSD


PTSDとは、どんな障害なのですか?

PTSDとは、地震等の天災、戦争の極限状態で未曾有の体験をし、心におきる異変の
ことで、時間を経てフラッシュバックが起きます。フラッシュバックは単に出来事を思い出すのではなく、その時の心理的な反応がそのまま再現されてしまいます。戦場で爆撃を
受け戦友の足が吹っ飛んだ状況が蘇ってしまったり、砲弾の音が実際聞こえて叫んでしまうのです。このフラッシュバックに伴い、悪夢・不眠・不安・抑うつ状態が現れる状態をPTSD(心的外傷後ストレス障害)と言います。

戦争のない日本では?

大地震被災や、ひどいいじめを受けた場合等です。フラッシュバックが続いている時期は、身動きがとれず通常の生活は無理です。
PTSDと確定診断がつく人は、つらい体験を普段語ることは、あまりありません。

治療はどのように?

治療は非常に困難で、現段階では確立した薬物療法はなく、心理療法を利用せざるを
えない状況です。PTSDは比較的新しい言葉で、非常に広い範囲で使われていますが、「何事も親のせい。不公平に育てられた」といった類では、PTSDにはなりません。自己申告者の多くは、本当のPTSDではありません。が、境界性人格障害や軽いうつ病、不安障害を併せもっている場合もありますから、そちらの病気の治療とカウンセリングを通して生活を正していくことができます。

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パニック障害(1)

 


パニック障害という言葉がよく聞かれるようになりましたがどんな病気なのですか。

昔は不安神経症と大きくくくられていましたが、今は不安障害の一つとして分類されています。パニック発作とパニック発作の予期不安、パニック発作を避ける回避行動の3つが揃っているケースを、パニック障害といいます。

パニック発作はどういう症状なのですか。

突然、胸がどきどきして息苦しくなる、足元がフラフラし冷や汗が出る、かつてない恐怖感を感じることです。特定の場所で起こるもの、場所を問わないものの二通りあります。

特定の場所とは?

電車や長距離高速バスの中、エレベーター、デパートや繁華街の人ごみ、教室などですね。本人が逃げ出せないと感じる場所です。典型的な例は、電車や教室でしょう。ある日突然電車の中で息苦しくなり、その後電車を避けるようになるケース。
授業中におならが出るのが恥ずかしい、急にトイレに行きたくなるなどで、教室にいられ
なくなるケース。

原因はありますか。

パニック障害に、心理的な原因というのは基本的にはありません。脳の神経伝達物質の異常による、神経のネットワークの障害で、突然起こります。
興味深いことに、単独で罹る場合、性格的な傾向があります。活発で積極的、人間関係も良好な、リーダーになるような人が罹りやすいと言われています。

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パニック障害(2)


発作のパターンについて教えて下さい。

呼吸循環器系、消化器系、泌尿器系の3つのパターンがあります。呼吸循環器系では、突然激しい動悸におそわれ息苦しくなるもの。
このケースは、「パニック障害かな」と、自己診断をされて精神神経科に来られる人もいます。消化器系では、突然トイレに行きたくなる、気持ちが悪くなる、めまいなどです。内科に行き、過敏性胃腸症候群や精神安定などの投薬を受けてしまい、症状が中々改善されないという人も少なくありません。泌尿器系は、頻尿や下腹が張るなどの症状ですね。こちらも、薬の処方が違ってしまうことがあります。違った投薬を受けてしまうと、パニック障害の症状が非常に悪化し病気も治りにくくなり、要注意です。

病状が悪化するというのは?

発作の場が当初限定されていたのが、次第にどこでも起きるようになる。そうすると、本人の不安感は増します。学校や会社、地域の行事に行かれなくなる。外出恐怖に陥り、
気分は落ち込みますから、二次性の抑うつ状態が出現するようになります。社会的不利益を被る人が少なくありません。また、初期の発作から長期間を過ぎると、薬が効きにくくなります。ですから、心療内科や神経内科で、早い段階の診断を受けることがベストです。

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パニック障害(3)

 

■治療について教えてください。

抗うつ薬、抗不安薬そして行動療法の組み合わせで、95%以上の人がよくなります。ただし、治療する時期を逸しないことが重要です。パニック発作というのは、神経細胞間の伝達がうまくいかないために起こるものですが、異常な信号が長く送られ続けると、神経細胞そのものが異常をきたしてしまうからです。
なお、医療機関では、パニック発作が身体疾患によって起きたものであるかないかの検査をします。甲状腺機能障害、胆石、心房細動からパニック発作のような症状が出ることもあるからです。血液検査、心電図検査はとても大事なことで、身体疾患によるものでないとなった後、治療が始まります。

治療期間は?

初期発作から発作がおさまるまでに1年から1年半かかり、その後2年くらい必要でしょう。小学校低学年の子どもの場合などは、薬がよく効き、成長期で正常な経路が発達しやすく、半年くらいで治ってしまうこともあります。

「パニック発作かな」と思ったら、心療内科や神経内科の受診がベストで、身体疾
患のチェックも重要なのです。早期治療でほとんどの人がすっかりよくなります

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社会不安障害(1)上がり症って何?

 

上がり症は治せるというTV番組があったようなのですが。そもそも「上がり症」という病気はなく、社会不安障害という病気の症状のことがある、といえます。

人前でプレゼンテーションをする、演奏をするような場面で、ドキドキして声が震えたり、上気して顔が赤らんだりすることは、誰にでもあることです。

社会不安障害というのは、これらをはるかに越えた状態です。
例えば、生徒がクラスで朗読をしなければならなくなったとき、会社員であれば皆の前に立ちプレゼンテーションを始めたところ、声が上ずってつっかかり気味になる。そして頭の中が真っ白になり、自分が何をしているのか分からなくなってしまったとか、手が震え、胸がドキドキして呼吸が苦しくなった、冷や汗が出たなどの症状になる。

こうした経験の後、再び同様のことをしなければならなくなった時に、「どうしよう、またあんな風になってしまうのではないか」という心配が非常に高まり、同様の場面を極力避けようとするようになってしまう。
強い不安とそれに伴う自律神経症状・予期不安・回避行動、この3点が揃ったケースを社会不安障害といいます。ですから、声が上ずってもとりあえずは一通りできた、そしてある達成感をもって次回にも意欲的に取り組もうという姿勢がとれるのなら、これは問題ありません。単にシャイな人ということです。

その2

発表や演奏をドキドキせずに堂々としたいときに効く薬というものはないのでしょうか。

精神安定剤などの服用はあまりお薦めできません。立て板に水のような話し方よりも、とつとつとした話し方が、好感が持てる場合もありますよ。ドキドキする人にも味がある
ものです。また、オリンピックの選手など試合の前には当然、興奮状態になります。こ
れを薬で抑えてしまっては、平凡な成績しか残せないかもしれません。ドーパミン値が充分に上がり、アドレナリンが全開になっているとき、爆発的な瞬発力が出ます。選手が「よし、戦うぞ」と興奮状態になることは、全く自然なことです。

では、本当の社会不安障害に対する治療をうかがいます。

薬と爆露反応妨害法という行動療法を併用していきます。「上がり症」は、場面が限定
されているのでわかりやすく、治療もシンプルです。ほぼ8割の人が改善するので受診は早い方がいいです。

 期間はどのくらい?

症状自体は数ヶ月~半年でかなり改善し、色々な社会生活が円滑になります。完治には、数年はかかるとみてください。子どもの場合は、3ヶ月から半年の服薬ですみ、治療が終了になることも多くあります。今現在は仮説ですが、神経系の発達が未発達の子どもは、障害のある神経経路を薬剤でブロックしている間に、健康な経路が発達するためではないかと、考えられています。

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社会不安障害(1)上がり症って何?その2

 

 発表や演奏をドキドキせずに堂々としたいときに効く薬というものはないのでしょうか?

精神安定剤などの服用はあまりお薦めできません。立て板に水のような話し方よりも、とつとつとした話し方が、好感が持てる場合もありますよ。ドキドキする人にも味がある
ものです。また、オリンピックの選手など、試合の前には当然、興奮状態になります。こ れを薬で抑えてしまっては、平凡な成績しか残せないかもしれません。ドーパミン値が充分に上がり、アドレナリンが全開になっているとき、爆発的な瞬発力が出ます。選手が「よし、戦うぞ」と興奮状態になることは、全く自然なことです。

 では、本当の社会不安障害に対する治療をうかがいます。

薬と爆露反応妨害法という行動療法を併用していきます。「上がり症」は、場面が限定されているのでわかりやすく、治療もシンプルです。ほぼ8割の人が改善するので受診は早い方がいいです。

 期間はどのくらい?

症状自体は数ヶ月~半年でかなり改善し、色々な社会生活が円滑になります。完治には、数年はかかるとみてください。子どもの場合は、3ヶ月から半年の服薬ですみ、治療が終了になることも多くあります。今現在は仮説ですが、神経系の発達が未発達の子どもは、障害のある神経経路を薬剤でブロックしている間に、健康な経路が発達するためではないかと、考えられています。

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社会不安障害(1)上がり症って何?その3

 

 前号までで、社会不安障害の症状、治療法や治療期間をうかがいましたが、発病には、何らかのきっかけがあるのですか。

会不安障害というのは、大勢の人の注目を浴びるような場面で強い不安に襲われ、頭がまっ白になり、動悸や発汗、吐気などが出現する病気です。小学校高学年になるころ、発病する子どもが多い。これは神経の病気ですから、中学にあがる前の子どもたちであれば、薬に対する反応性がとても良く、長い期間の投薬を必要とせず完治するケースが少なくありません。不登校の子どもの中に、この社会不安障害によるケースがあります。友達や先生ともうまくいっていて、学業もついていっている、身体的な点でも問題はない。それなのに、学校に行きたがらない。本人も因果関係を自覚していないので分かりにくいのですが、こんなケースは、社会不安障害である可能性もあります。

 親に社会不安障害のような傾向があると、子どもも出やすいということはありますか?

家族集積性はあります。親がそうだったという場合は、ぜひ気をつけて見てあげてくだ
さい。そして、思い当たるようでしたら、ためらわずに、なるべく早く受診するようにし
てください。お子さんの人生が全く違ってくるはずです。

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社会不安障害(1)上がり症って何?その4

 

他に気をつけるところは?

社会不安障害からくる不登校は、「無理に学校に行かせなければ、自然と治っていくだろう」というものではありません。
うつ病などの場合は、一定の期間でよくなったり、中学で環境が変わり通えるようになったりするケースもありますが、社会不安障害の場合は全く別です。治療を受けずに不登校のまま放置されれば、子どもは学校教育を受けられずに育つことになり、人生に大きなダメージとなる場合もあります。
また、大人の場合、人前でプレゼンテーションをするというのは、責任ある立場の人の仕
事にはつきものです。
これらを回避していては、職場を転々とする人生になってしまうこともあり得ます。そこ
を無理して行なえば、行なうほどに症状は悪化しますから、やはり早期治療が大切です。

民族や文化、男女の差のようなものはあるのでしょうか。

病気そのものが比較的最近定義されたものですから、きちんとした統計はないように思います。ただ、男の子のほうが若干多いということです。また、薬物療法的にはヨーロッパ諸国に比べると日本は遅れています。日本ではまだ認可されていない薬などもありますから。これから時間がたてば、大人の方の治療成績も上がるでしょう。

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携帯やコンピューターゲームにはまる人たちは、依存症? その1

 

携帯やゲームに何時間も没頭する子どもたちが心配という親の声をよく聞きますが。

ギャンブルや買い物に対する依存症に関しては、認識がわりとはっきりしていますが、携帯電話やネットワークゲーム、DS等に対しては、まだ、しっかりした診断基準はありません。対応方法も、確立されていない分野です。一つの診断基準が確立するのに、10年、基準が普及するのにさらに10年。ゲームや携帯は、ここ数年の話ですから、まだ対応ができていないのが現状です。
問題とみなさなくてもいいのでしょうか。

実際、ゲームや携帯に依存した状態になっている人は、かなりいますがゲーム類と携帯は、分けて考えなくてはなりません。また、同じゲームでも個人でやるゲームとネットワークでやるゲームは質が違うと思われます。問題かどうかのポイントは、「生活に障害があるかないか」です。「生活に障害が生じている」場合は、何らかの疾患に類する脳機能的な障害の過程が出現している可能性があると思われます。

生活に障害とは?

朝、学校に行けない。ぼうっとして授業に集中できない。友達づきあいが減る。倦怠感から成績が下がる。いつも熱っぽい、などです。そしてゲームや携帯がないと、落ち着かない、イライラする。ゲームや携帯の使えない場所に行くことに抵抗を感じる。こういう状態は、要注意のサインです。

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携帯やコンピューターゲームにはまる人たちは、依存症? その2

 

時間が目安になりますか。

あまりなりません。
例えば、テレビを見る時間がゲームになっただけという場合は、問題ありません。大人の飲酒の場合、午前1時までなら、そんなに心配はないですが、2、3時となると黄色信号です。小学生の場合、9~10時間は睡眠が必要ですから、寝るのが11、12時では、翌朝に影響します。頭痛や腹痛、気だるさで、学校に行きにくくなるようなら、黄色信号と考えていいのでは。高校生くらいになると、体力もつくので、午前1時くらいが限度でしょう。
解決のヒントは。

ゲームは難しい問題が絡んでいます。ゲームの普及には、親にとって都合の良いアイテムであることが関連しています。レストランでの待ち時間や新幹線の移動中に、携帯用ゲーム機があれば、子どもたちはおとなしくしていられます。

以前なら大人が子どもの相手をしなければならず、これは大変な労力でした。良し悪しは別として、親たちはとても助かっているのです。さらにゲームの内容が、子どもたちの世界で話題になり、コミュニケーションに必要なものとなっているので問題が出てきた場合に改善しにくい。親には「夜8、9時になったら、ゲームはさせない」という強い決意と、子どもが騒いでも喚いて
も、諦めない姿勢が必要です。

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携帯やコンピューターゲームにはまる人たちは、依存症? その3

 

昼夜逆転に近いような大学生の場合は?

ゲームに対する依存が成立しているかもしれません。親として気が気じゃないという葛藤が生まれているとすれば、それも問題です。学費のスポンサーである親の意向は、子どもに尊重してもらわないといけません。親の方から、「やめなさい」ときちんと伝えるべきです。その状態が1年、2年と続くと、社会適応が悪くなり、自立できなくなる可能性が大きく、早い時期の生活の修正が必要です。また、昼夜逆転は、『睡眠覚醒スケジュー
ル障害』というケースがあり、対応が必要です。うつ病、躁うつ病、統合失調症など別の病気が絡んでいる場合もあります。時間のコントロールができず、三十歳を超してなお、ゲームばかりしているひきこもりの人が、今、増えています。

夜型の生活というのは、問題ですか。

気をつけなければいけないのは「夜、遅くなる」というのと、「生活自体が夜」というのは、別、と言う事です。夜間労働が中心になっている方は、病気にかかりやすい傾向があります。体調管理が非常に難しく、脳への影響も大きいからです。夜間労働は、睡眠覚醒スケジュール障害を伴う神経症や統合失調症、うつ病を誘発しやすいとされます。
健康にとっては、活動の拠点は日中に置かれているのが大事なのです。

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携帯やコンピューターゲームにはまる人たちは、依存症? その4

 

個人ゲームとネットワークゲームは、少し違うということですが。

個人ゲームはゲームそのものが目的です。相手はコンピューターだけで、他人とのやり取りはありません。ある程度時間をかければ、必ず得点が上がり、達成感が得られやすく高揚感を感じることができます。この高揚感はパチンコやスロットマシーンと基本的には同類です。
一方、ネットワークゲームは、相手がいる分違う世界を作り出します。通常のおしゃべりの要素が入り、ネットを通じて、人と出会うという利点があります。コミュニティサイトや、オフ会などがあり、昔の雀荘に似ています。対人交流という点で少しはいい。

では、ネットワークゲームは、問題がない?

程度が問題で、ネットワークゲームにはまると、昼夜逆転を引き起こす人が少なくありません。日常の社会生活で孤立し、疎外感を持つ人が、ネットワークゲームにとりつかれると、仲間ができたと思ってしまいます。そのような人たちが、深夜長時間ゲームを続けると、結局は実際の社会活動から疎遠になり、現実でのコミュニケーションが持てないとい
う悪循環に陥ります。
賞賛や適応も、あくまで仮想空間の中だけで、現実の生活自体に寄与することはなく、ゲームをたくさんこなしても、現実社会での問題や困難に対する対応能力は向上しません。これが最大の問題です。

 

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携帯やコンピューターゲームにはまる人たちは、依存症? その5

 

思春期の難しい年代の対応については?

男子で中2、女子で小5以降の反抗期にあるときですね。学校には行き、部活もちゃんとこなしている場合なら、まだ問題はありませんが深夜までゲーム漬けという場合には、この子どもたちが尊敬している人から「やりすぎはよくない」と諭してもらう手があります。また、子ども自身の友だちからの意見も効きます。
慕っているおじさんや年長のいとこ、部活の顧問の先生、子どもの仲良しから、働きかけてもらうとよいですね。

大切なことは、親は「その件に関しては、触れないこと」です。再び親が蒸し返すと、子どもの気持ちがまたややこしくなるから。親は、しばらくは遠目で見ましょう。

今までの対応は母親だけだったのが、その母親に代わり、父親の出番というのはどうでしょう?

反抗期というのは、そもそも「親に対して反抗する」わけですから、母親がうまくでき
なかったときは、まず父親でも同じでしょう。
けれど、我が子に対して、余裕と自信のある父親でしたら、少しは違うかもしれません。

昼夜逆転やひきこもりの状況になりそうなら、クリニックに相談したらよいですね。

そうですね。別の病気が絡んでいることも少なくないので、それを見極めることも重要です。家族の心の健康にも影響します。早目のご相談をお薦めします。

 

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買物がやめられない…買物依存症? その1

 

買い物依存症というのがあるそうですが。

買い物依存症の典型的な症状とは、やめなければいけないと分かっていながら、買物
がやめられない、ついつい買ってしまう、これが繰り返される状態です。「これはまずい」という自覚はありますが、認めたくないという思いが強くあります。そのため、家族がその人の買い物、買い方を注意すると、イライラするのも特徴です。弱点を突かれるので、イライラするのです。また、自覚がないときは、別の病気が考えられます。

やはり、女性に多いのでしょうか。

詳しい調査がないので確実なことは言えませんが、女性の方が多いかもしれません。買い物症候群の方は、たくさんいます。買い物をするとき、店員が女王様のように接してくれるので、それだけで気分がいい。さらにお目当てのものが見つかれば、気分が高揚します。ドーパミンが急上昇するのですね。これは、手首を自傷する人、ギャンブル・ゲームにはまる人、誰にもあります。
ただ、買い物症候群だけ、単独の症状を抱えて困って受診というケースはまれです。たいてい、他の病気や悩みなど心の問題を抱えています。買い物症候群は、症状のひとつとして現れている。心の葛藤をストレス発散という形で、買い物が一時的に解消してくれるのです。

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買物がやめられない…買物依存症? その2

 

つまり、買い物をやめるより、その元にある心理的な問題を探り、解決していくことが大切なんですね。

そうです。ストレス源を探り、それに対応する方法を考えていかなければなりません。ストレスに対応する最良の方法というのは、ストレス源から目を逸らすことではなく、ストレスに向き合うことなのです。
一時的な気晴らしをしても、ストレス源はなくなりませんし、問題も解決できません。
ストレスはストレスのまま持ち続けてよいのです。ストレスに対応するというのは、ストレス源を改善したり、減少させたり、またその受け止め方を変えていくようにすることなのです。

例えば、同居のお姑さんとうまくいかない時、別居に切り替え、ストレス源を減少させる事は出来ると思いますが、家族を背負っていて、仕事がストレス源という場合、単純にやめることはできません。そのような時の対処は。

同居から別居、これはそれでよいと思います。さて、仕事の場合ですが、ひとつは、仕事を苦痛ではなく、喜びととらえる方法を探るのです。つまり受け止め方を変える。もうひとつは、仕事の内容を精査し、仕事の中の何がストレス源になっているのかを詳細に探り出すのです。そしてそれに対しての具体的な改善策を考えていくことが大切です。

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買物がやめられない…買物依存症? その3

 

症状が「買い物症候群」という形で現れた場合は、どのような取り組みになりますか?

まず、本人の気づいていない心理的葛藤をカウンセリングで探ります。女性の場合、ご主人、同居の姑、近所とのコミュニケーションの問題、子育てに関わる悩み、など、家庭に関することで満たされていないと感じる思いや、不安が持続されていることなどが、依存症の背景として浮かび上がることが多くあります。男性でサラリーマンの場合には、会社でのことが基本にあるというのと同じです。

その問題の程度にもよりますが、軽症の場合は、カウンセリングで、もしくは薬物療法をプラスして、改善される場合もあります。
そのような取り組みの中で、買い物依存は自然と消えていくことも少なくありません。中等症以上の場合は、つまり、買っても買っても充足感を得られないのに、それでもやめられないというケースです。この場合はカウンセリング、薬物療法、そして自助グループによる活動を通して治療をすすめていきます。まずはご相談を。

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アルコール症候群って? その1

 

近年増えていると言われるアルコール依存症について教えて下さい。

アルコール依存症の軽症、もしくは前段階(プレアルカホリックス)の人々は非常に多い。あまり知られていませんが、アルコール依存症は重症化するとほとんど回復の手立てのない怖い病気なのです。回復率は20%を少し超える程度ですから、より早い段階で
治すことが大切です。

アルコールに対するコントロールが利かなくなったら危険信号

アルコール依存症とは、アルコールに対するコントロールが喪失しかけている、もしくは喪失している状態です。コントロール障害というのですが、当人はこれを否認する傾向があるので、問題が気づかれにくいのが特徴です。軽症の場合、身近にいる人たちは薄々感じているものの、判断がつけられない。

アルコール症候群のサイン

軽症では、仕事にも家事にも支障はありません。しかし中等度になると、それらに支障をきたすようになってきます。
男性の場合、「今日はビール一缶」と思っていたのが二缶になったり、一軒だけと思っていたのに、二軒目に行ってしまっているようならば、初期もしくは予備軍です。また、仕事が終わり近くになるとアルコールを思い浮かべる、というのもそうです。つまり、アルコール摂取の量と時間が予定より増えてしまう事は、ひとつのサインと思ってください。

 

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アルコール症候群って? その2

 

女性の場合でも、PTAや父母会のランチなどで、「楽しく食事をしたい」と理由付けをし
てビールやワインを口にする人は、要注意です。こういう人たちの中には、他人にもお酒
を勧めては次から次へとコップをあける人がいます。自分一人だけではなく、みんなで飲むことで、昼間からの飲酒を正当化するのです。

食前酒と称して、休日の昼間から飲む、行楽地で昼間から飲む、これも重要なサインです。アルコールを摂取しつつも、いろいろな理由付けをして「自分はアルコール依存症ではない」と打ち消す気持ちがあることこそ、まさに初期症状の特徴です。
まず、本人が自覚をすること、もちろん周囲の協力も絶対に必要です。生活習慣を是正していかなければなりませんから、お酒を常備しているような家は危険です。
また、アルコール依存症では、精神的・身体的に純粋にアルコールに依存している人たちのほうが多いのですが、心理的理由がある人も3分の1ほどいると言われています。これからの人生において、お酒に頼らずに問題に対応していく能力を培っていかなければなりません。
ぜひ、早めのご相談を!

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アルコール症候群って? その3

 

アルコール依存症の怖さとは?

お酒の常用は一般に考えられる以上に危険を伴います。特に飲酒が午前2時、3時になる人は要注意。習慣飲酒を男性は通常10年、女性は7年程度続けると、アルコール依存症を発症することがあります。ベースに心の問題を抱えていれば男性で7~8年、女性で3~5年という短期間で依存症になりうることも知られています。


20代で飲酒を始めると、30代半ばで依存症を発症してしまう方が現われます。会社員で20、30代というのは社会的に鍛えられる大切な時期。この時期に飲酒で憂さを晴らすことに慣れてしまった人は、現実の問題で悩んだことがなく、問題解決能力を十分発達させる機会を失なっています。

お酒を常用する人は、上の人たちには、ある意味使いやすい人たちです。お酒を飲むことで、嫌な現実や考えねばならない問題を忘れ、翌日にもちこさないようにしていますから。しかし彼らが管理職の年齢になると、問題は一気に表面化します。現実的な対応能力が培われていないので、その能力が問われる場面になると破綻してしまうことがあります。
10年のブランクはとても大きい。アルコールでごまかさず、問題を解決する能力を身につけていけば、人は成長します。悩む時間を持つことは、大切です。アルコールを断ち、本来持っているその人の能力が発揮されれば、社会的に大きく貢献することもできるかもしれません。

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アルコール症候群って? その4

 

アルコール依存症は、お酒の弱い人がなるのですか。

逆ですね。お酒に強い人ほど、依存症になりやすいと言えるのではないでしょうか。一般に「酒に強い」と言う人、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きの強い人は顔色にも出ないので、たくさん飲んでも体調に異変がなく、気付かないうちに多くのアルコールを摂取してしまいます。日常的に高濃度のアルコールを体内に留め置くことができるわけですから、脳がアルコールに暴露されている時間も長くなると考えてください。

「アルコール依存症から回復する」というのは、どういう状態なのでしょうか。

アルコールがなくても生活出来る状態となる事です。日常生活の中にアルコールがない
状態で、様々な生活場面を形成・維持できるようになれば回復したと言えるのではないでしょうか。

若い人が、社会に出た時に、お酒を飲む練習などをしますが。

これからは、社会でもきちんとした健康教育がなされていくのではないでしょうか。仕事上でのお酒の強要も少なくなっていると思います。お酒は「平常時では必要のないも
の」と考えてください。
お酒無しで、社会生活が営める技術を身につける事が有用だと言えます。アルコール依存症は進行性の病気です。相談は早ければ早いほど、回復も早いのです。気になったら、ぜひ一度ご相談を。

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ペットロスって? その1

 

近年、ペットを飼う家庭が増え、ペットロスという言葉をよく聞きます。

長年家族の一員として、生活をともにしてきたペットが、病気や事故、老衰などによって死亡してしまった、あるいは迷子になっていなくなってしまったときに生じる一連の心の反応のことを言います。医学的な概念ではないので、言葉の定義ははっきりしませんが、喪失体験の一種と言われます。これは、最近始まったわけではなく、昔からあったと思いますが、昔に比べて、生活が安定しているので、ペットがいなくなった心の変化にみんなが気づくようになったのでしょう。

やはり、犬や猫の場合が多いでしょうか。

愛着をもってともに過ごしてきたのですから、すべての動物にあてはまります。統計は
ないと思いますが、男女も大人や子どもの差もないでしょう。

具体的な症状は?

うつ病や不安障害などが起きてくる場合があります。ペットというのは、家庭内の人間関係のギクシャクした空気を和らげてくれたり、話し相手になって寂しさを埋めてくれたり、愛玩することで暖かい気持ちが芽生えたりと、私たちの日々の生活を充実したものにしてくれます。

それが一気に失われると、心にぽっかり穴があいたようになることがあります。健康な人ならば次第に気持ちが立ち上がってきますが、持続的に気分に落ち込みが生じている場合には、対応が必要です。

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ペットロスって? その2

 

期間や程度というのはありますか。
数ヶ月~半年と経つうちに寂しさは薄れていきますが、ひどい場合は、喪って数ヶ月を経ても、ペットが歩く足音が聞こえたり、玄関にお迎えをして待っているペットの姿が見えたりします。

立ち直るためには?

「かけがえのないペット」だったとしても、「新しいペット」を飼うことが有効な場合が多いです。長年一緒だったペットは家族の一員という思いがあるので、本人としては最初の1、2週間は抵抗があるかもしれませんが、やはり「新しいペット」で治ることが少なくありません。

1、2ヶ月経った頃、身近な人から新しいペットを飼うように薦めるのがいいでしょう。「周りに言われて、飼い始める」という過程が重要です。言われて飼い始めたら、可愛くなってきたというプロセスですね。本人が自分から飼うのを待っているより、周りから薦める方がいいと思われます。
心の病気を抱えている人の場合は、ペットの存在は特別な意味合いがあり、丁寧な対応を必要とする場合が多いです。薬で改善されなかった点が、ペットで良くなったという場合もあり、喪うことで病状が悪化してしまうことがあるからです。
新たなペットを薦めるのも、医療機関のスタッフから話をしてもらう方がいいかもしれません。家族の言葉よりも、第三者の言葉の方が「そうかな」と受け入れてくれる場合があります。早めのご相談を。

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日常の不安をどう受け流すか?

 

誰にでもある不安…、例えば精密検査や試験結果を待つ時の不安をうまく流したり、受けとめる方法は?

不安というのは、気質の問題が大きく関わると考えられます。明らかにある時期がくれば結果が出る事柄について、心配しすぎる人の場合、周りの人は「本当に心配だよね」と受け止めてあげること、そして今、過剰に心配しても利はないと話し、「結果が分かったら、一緒に考えましょう」と、常識的に寄り添ってあげることがいいかもしれません。
不安というのは、信頼している人に共有してもらうと落ち着くこともあります。「心配だね」と受け止めてあげる一言は、大きいものです。

さて、同じ内容の心配事を繰り返し聞かされる側の「イライラ」には、いい対処方法は
ありますか。

それには、上手に聞かないようにするしか(笑)。「今は忙しい」「同じことを何度も」等、喧嘩腰になるような言い方は、やめた方がいいですね。相手が病人であればなおのこと。気持ちを苛立たせてはいけません。しかりつけても、意味はありません。

健康な人が受けとめきれないような不安は、病的なものの可能性もあります。薬が必要な場合もありますし、病的でなくても、考え方の癖等があれば、認知行動療法やカウンセリング等で、不安が落ち着くこともあります。また、身近に聞いてくれる人がいない場合にも、カウンセリングをお薦めします。

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見ていて気になる癖 その1

子どもの、爪や鉛筆を噛む、指を吸うなどの癖があると、気になります。

「癖」をどう見るかは、いろいろ見解が分かれ、ケースバイケースとも言えますが子どもの、指しゃぶりや鉛筆をかむ、ぼろぼろになったぬいぐるみを手放さないなどは、健康な心の働きです。吸う、噛むという癖は口唇欲求の表現です。これは母親の乳房の象徴と考えられています。通常は加齢と共に自然と消えてしまい、気にする必要はない事が多い癖です。
早く止めさせる必要もありません。大人になってもぬいぐるみが好きな人は多いと思いま
す。それも母親の痕跡…同じ事なのです。

では、ぬいぐるみやペットに話しかけるというのは?

ペットに話しかけるというのは多くの飼い主さんがすることですし、ぬいぐるみに話しかけることも女性の間では一般的なことなのではないでしょうか。
語りかけることで、孤独な気持ちが癒され、心の安らぎを得ているのです。周りは本人の
気持ちを理解してあげれば良いと思います。
このように治療の必要のない癖もありますが、血が滲むほど爪を噛んだり、自分の身体を傷つける自傷行為は、注意しなければならないケースといえます。手を噛んで皮下血
腫になったり、抜毛して円形脱毛症のようになったり、足の裏の皮を剥き続け、出血し、
痛くて歩けなくなってしまう人もいます。こういったケースには、治療が必要です。

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見ていて気になる癖 その2

 

血が滲むほどに爪を噛んだり、足の裏の皮を剥き続けるなどの自傷行為をしている時はどうすれば?

これらには、「境界性パーソナリティ障害」を中心とした様々な病気が背景にある場合が多いと考えられています。その行為の理由が「血を見ると落ち着く」など、一般の人が考える癖とはかなり隔たりがあります。
自傷行為にいたる癖のときには、専門家に相談されることをおすすめします。

では、ドアを閉めた後、何度も確認をしないと気がすまないというような、自分では分かっているのに治せない癖については?

鍵をかけた直後に確認というのは、用心深いというだけで普通です。動作が習慣化して
しまい、記憶になく不安になることは誰にでもあることでしょう。

ただ、ドアの鍵を閉めた記憶があるにもかかわらず、確かめたくなる。また直後の一回ではなく何度もとなれば、強迫性障害という病気の可能性があります。自分が記憶しているよりも、不安の方が強いわけですから。本人が生活の中で不都合を感じていなければそれはまだよいのですが、一度出た家に引き返す、待ち合わせの時間に遅れるなどとなると問題でしょう。

駅員の方々は「指差し確認」を励行しています。視覚に聴覚をプラスした確認をすれば、かなり有効でしょう。はっきりした動作を伴った確認をするのもよい方法です。

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見ていて気になる癖 その3

前号では、ドアの鍵を閉めた記憶があるにもかかわらず、何度も確かめずにはいられなくなる。これは強迫性障害という病気の可能性があるとお話しました。これはさらに、症状がひどくなると、家族や周囲の人間に一緒に確認を求めるなど、周囲も巻き込むようになることもありますので、早目に専門家に相談する事をおすすめします。

何かをきっかけに同じ行動を繰り返してしまうようになることもあると思うのですが。

例えば一度泥棒に入られてから、何度も玄関を開けて、外を確かめる、家の中にいつも誰かがいるように感じてしまうようになったり、ストーカーや痴漢の被害に遭い、後ろが気になり何度も振り返ってしまう、また一人でいるのが不安になってしまうなどという人
の場合は難しいケースといえるでしょう。もし家族が一緒のときには何ともなくても、一人になると、普通に落ちついて家にいられない、不安で仕方がない状態というのは、治療を受けて治した方が良い思います。
どんな治療になりますか。

抗不安薬等を投与する薬物療法・不安になってしまった時にリラックスできるよう、呼吸訓練や筋弛緩などのリラクゼーションを習得する認知行動療法・そしてカウンセリングを中心に治療を行います。多くのケースでかなりよくなると思います。まずは専門家に相談をして下さい。

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夢にうなされる その1

 

夢でうなされるというのはとても嫌なものですが、なぜ見てしまうのでしょうか。

人間の脳は基本的に、眠っている時に心の葛藤を処理していると言われています。ですから、誰でも毎日夢を見ています。

それでも眠りが深いと眠りのフィルターが効いているので、記憶に残らないのです。
夢を見る=覚えているというのは、生物学的にみれば、眠りが浅いということです。深
部睡眠が害されているときに起ります。何度も夢を見てしまうのは、熟眠障害がある場合が多いですね。

ただ、悪い夢自体は心理学的には「良い徴候」とされています。
心に抱えたいろいろな葛藤が、夢の中で処理されるのですが、それが峠を越えた印と考えられているからです。悪夢そのものは眠りが浅いという問題をかかえますが、一方では、心の中で問題が処理されつつあることの証明となるので、必ずしも悪い事ではないのです。

では、子どもが夜中に夢を見て「わあーん」と大声で泣いたとしても、放っておいても大丈夫ですか?

基本的にはそうです。子どもというのは、まだ、眠りが完成していないのです。夜泣き、夢をみてうろうろ歩く、叫ぶというのは、初めての場合、親は結構びっくりしてしまいますが、ざらにあることだと思ってください。幼稚園・小学生レベルでは、問題は無いことが多いと言われています。

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夢にうなされる その2

 

前回、まだ眠りが完成していない子どもに「夜泣き、夢をみてうろうろ歩く、叫ぶ」というのは、よくあることだとお話しました。

ある少年が、公園で自分のボールを友達に使われてしまっていたのに、自分のだと主張できない場面がありました。この出来事の一週間ほど後、夜中に起きてボールを捜しまくり、見つけたら「ぼくのだよ!」と大声で言って、夢うつつでベッドに持ち帰ったことがありました。これは一週間悩んで、その子の心の中でほぼ解決をみたのでしょう。そういう場合、もう一週間すれば、さらに落ち着き、実際同じ場面になった時は別の反応が見られるでしょう。

とはいえ、悪夢が続き、睡眠不足で勉強や仕事にさわる等は問題ですし、何らかの病気にかかっているケースもあります。このような時は、専門家に相談したほうがよいでしょう。

あまりにリアルな悪夢が続くと、「お祓い」のような事で解決をしようとする人もいますが…

解離性障害という病気の場合、悪夢が続くことがあります。比較的軽度な解離性障害で、非常に暗示にかかりやすい人の場合に「お祓い」で症状が消える場合もまれにあり、有効なこともあるようです。そのことからも「お祓い」というのは、必ずしも悪いことではありません。ただし、高い金銭を要求するようなところは、敬遠したほうがいいですね。

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アスペルガー症候群 その1

 

最近、広範性発達障害がマスコミで取り上げられるようになり、アスペルガー症候群と呼ばれる人たちについても話題に上るようになりましたが。

アスペルガー症候群が同定されたのは、数十年も前ですが、近年特にアスペルガー症候群を疑って、診察に来る人が増えたように感じられます。
数自体が急に増えることはありませんから、マスコミの影響も大きいかもしれません。
「KY」という、いわゆる「空気が読めない人」という言葉が流行語にもなりましたから。
たしかに、アスペルガー症候群は、周囲とのコミュニケーションがうまくいかないとい
う症状があり、「空気が読めない」と言われてしまうことがあるかもしれません。ですが、アスペルガー症候群はそれだけではなく、広範囲に発達上の困難を抱えていることが多いと言われています。

どのような症状があるのでしょうか。

まずは、社会性の問題です。周囲の状況や、相手の言ったことの中に、言語として明確に表現されていないものを読み解くことが欠けているか、充分発達していないなどです。例えば、教師が機嫌悪そうに教室に入ってきて強い口調で話し出したとします。多くの生徒が「先生に怒られる」と、静かにしているのに、自分だけ大きな声でおしゃべりをしてしまう。友達が「しーっ」と合図を送っても、気がつかないなど。これが「空気が読めない」
と、周囲に思われてしまう症状です。

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アスペルガー症候群 その2

 

その他にも様々な症状が見られます。「想像力の欠如」というのもそのひとつです。相手の行動の背景にある心理的過程を想像できず、たとえば、相手が語気を荒げて言い返してきたときに、自分の言ったことで腹を立てたのだな、とは理解できません。神経系が十分発達せずに、感受性が欠如していると考えられています。

また「普通の会話」ができない、とも言われる事があります。言語的に主語・述語のある文を整然と話しているのに、会話のキャッチボールが基本的にできません。枝葉末節にとらわれていたり、議論の焦点が見えていなかったり、身振り手振りを理解しない、など一方的になりやすくとてもぎこちなく感じます。会話にある言外の文脈を読み違えることが多いためです。

アスペルガー症候群では…?と周りが気づくきっかけは?

幼少期にバイバイを逆さまにする、ミニカーを車として転がして遊ばず、ポーンと投げる、ごっこ遊びができないなどで気づかれることがあります。ただ、幼少期は普通に遊んでいてその後コミュニケーションの障害が際立ってきて気づかれるケースもあり、一概には言えません。症候群と言われる由縁ですね。

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アスペルガー症候群 その3

アスペルガー症候群の治療法について教えてください。

アスペルガー症候群そのものについては、今の段階では、治療法はありません。アスペルガー症候群の人たちには、過去の様々な経験で、不安やストレスから開放されない苦しみがあることが多いとされています。

ただ、自分が今まで、周りの環境や人々とうまく行かずに苦しんで過ごしてきたのが、診察を受けて、アスペルガー症候群と診断され、本人がほっとするケースは少なくありません。症状の程度や頻度は個人差が非常に大きく、周囲の人達の対応や、環境によって大きく左右されます。ひとつのものに強い興味を持っている場合は、共通の話題をもつ相手を探してあげることも必要でしょう。

社会的に不適切な行動などに対しては、他人に迷惑をかけないような妥当な行動に置き換えていく必要もあります。このような時には、こうしたらいい、という知識と選択肢を増やしていくことが大切です。周囲の人が、本人の現実をよく見て、その本人とコミュニケーションをとろうと努められれば、幸せな関係になるでしょう。

また、アスペルガー症候群の人たちには、合併症が多くあります。この障害のため、社会生活や家庭生活がうまくいかなければ、当然気分が落ち込んだり、不安になったりします。心の病気が出現する可能性が高い。ですから、合併症の部分については、治療の対象になります。

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まとわりつく人たち その1

 

横濱タウン新聞編集部に寄せられた相談です。
「両親の離婚後、祖母に引き取られた高校生の女の子が、学校から帰宅すると、祖母の側を離れようとせず、お風呂やトイレにまでついてまわっています。
止めさせるべきでしょうか、そのままにしておいてよいのでしょうか」

基本的には、「高校生なのだから」と諭しても意味がありませ ん。というのは、高校生のお子さんが、トイレやお風呂の前で待つというのは、通常しない行動だからです。さらに、以前はしなかったであろうと考えられます。これは自分では止められない可能性が高いと考えられます。

両親と同じようにおばあさまもいなくなってしまうのではないか、という不安感がある場合、姿が見えないことをいなくなってしまうと考える場合、「よくわからないけれど、そうしてしまう」などいろいろな原因が考えられます。また、通常では理解できない理由を話される場合もあるかもしれません。

具体的に、どうしたらいいでしょうか。

不安障害や統合失調症、あるいは、種類の違う心の病気にかかっているかもしれません。原因を含めて日常生活全般を詳細に調べてみる必要があります。

この場合は、諭すのではなく、女の子の話をよく聞いて、早めに受診されるのがよいかと思われます。場合によってはおばあさまが、女の子の日常生活や彼女とのやりとりを含め、先に相談されてもよいかもしれません。

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まとわりつく人たち その2

今回は30代女性、深夜の長電話の相談です。「深夜に友人からかかってきて、1~2時間と続き、生活に支障が。切ろうとしてもなじられて、電話を切らせてくれない。どうしたらよいでしょう」

相手の迷惑を顧みず、おしゃべりを止めない、止められない状態というのは、躁うつ病の躁状態、ほかの病気での躁的状態を疑わせます。統合失調症や不安障害の重症なケースで、おしゃべりをし続けることがありますし、また甲状腺機能亢進症でも躁状態が出現する場合があります。また、境界性パーソナリティ障害で不安が強い時期に、このようになることもあります。

今回の場合、相手の方をいきなり受診させるのは難しいでしょうから、「その人の電話には出ない」というのが適切な方法の一つでしょう。なかなか電話を切らせてくれないということですが、「もう遅いし、眠らないといけないので、悪いけど切りますね」と、常識的な対応をして切ってください。深刻な話でも同様です。相手がすでに受診されている場合、「私には難しいから、担当の先生に相談してね」と言ってあげて下さい。

相手が話し続けて入れないときは?

重ねてしゃべって大丈夫です。その相手の方が怒ってしまっても、躁うつ病の躁状態や統合失調症の躁的状態、境界性パーソナリティ障害の不安が非常に強い場合、関係が多少まずくなっても、相手に話を止めさせて眠らせてあげることが大切です。話をずっと聞くより、話をしない環境を作ってあげる方がいいこともあります。
また、相談者の家族まで不愉快にさせるようなことがあっては、さらによくありません。「彼女とはもう付き合うな」となっては、電話の彼女は人間関係を一つ失ってしまいます。心の病気の症状のために社会的な活動の場が狭まってしまうきっかけを作らないためにも、相談者は電話を切ってあげてください。

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