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シリーズ1 老人性イボ
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■どんな病気?
「老人性イボ」は中年以降に顔・頭・胴体に多発してくるポツポツです。米粒の半分~グリーンピースの大きさのものが多く、正常色~褐色黒褐色になるので外見を気にしたり「皮膚癌ではないか」と心配して受診する方もいます。年齢を重ねるに従って数が増える傾向があります。学術病名は「老人性疣贅(ゆうぜい)」あるいは「脂漏性角化症」といい、皮膚の良性腫瘍の一種です。
■治療は?
1.切除、2.冷凍療法、3.レーザー療法がありますが、大抵のものは2.冷凍療法で治ることが多く、場合により2,を繰り返したり、大きいものは1.切除が必要になる場合もあります。3.レーザー療法はうちの診療所では行っていません。
■注意点
「イボ」と言っても小さな子供の指先にできるウイルス性のイボ(尋常性疣贅)と違い、 この病気は伝染しません。見かけだけでは基底細胞癌や悪性黒色腫などの皮膚がんやホクロ(これは良性)と区別がつきにくい場合もありますので、その場合は皮膚科専門医の受診をおすすめします。
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シリーズ2 尋常性イボ
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■尋常性 (じんじょうせい) イボとは?
ごま粒位のポツポツで始まり、大きくなると表面は疣(いぼ)状となり、グリーンピースの大きさになります。手指、足の裏、手足の爪の周囲、顔面に出来やすく、単発あるいは多発して爪の周囲や足の裏では癒合して疣状局面となることもあります。イボウイルスが皮膚表面の細かい傷から入り込んで出来、正式には尋常性疣贅(ゆうぜい)といいます。
■治療は?
1.冷凍療法、2.ブレオマイシン局所注射、3.インターフェロン局所注射、4,ヨクイニン・グリチルリチン内服、5.暗示療法などがありますが、当診療所では1.冷凍療法(液体窒素を使用)を主として行っており、2、3、5は行っていません。時に4.ヨクイニン・グリチルリチン内服を加えることもあります。
■子どもにも注意
患者さんは大人よりも子どもに多く、砂場遊びの際に出来る指のささくれからウイルスが侵入することもしばしばあります。自然治癒もあるのですが放置しておくと数も大きさも増え、他の人に伝染することもあります。
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シリーズ3 胼胝腫(べんちしゅ) 鶏眼(けいがん)
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胼胝腫はタコ、鶏眼はウオノメのことです。いずれも圧迫や摩擦が長期に加わって出来る限局性角質増殖です。直下に骨のある部位にでき、タコは手掌・指腹・踵・足背、ウオノメは趾背・趾間・足底に出来やすく、ウオノメは歩行時に痛みを伴うことが多いです。
■間違いやすい病気
足底に出来るウオノメは足底疣贅 (足の裏のウイルス性イボ) との鑑別が難しいことがあります。足底疣贅は伝染性もある点、注意が必要です。
■予防・治療
タコもウオノメも圧迫を避けることが発症を抑えるのに役立ちます。とはいえ足に体重がかかるのは避けられないので、細かい工夫が必要です。痛みがなければ放置していても差し支えない場合も多いのですが、治療が必要な場合は角層を削ります。硬くて削りにくければサリチル酸含有硬膏を貼り、柔らかくしてから削ります。しばしば再発しその都度治療を要するので、完全に治すというより「快適に過ごせるようケアする」と割り切った方が気が楽かもしれません。
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シリーズ4 脂漏性皮膚炎
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■脂漏性皮膚炎とは
皮膚の皮脂腺から毛穴を通じて皮脂が分泌されていますが、この分泌が多くなった状態を「脂漏」といいます。この状態で皮脂が脂肪酸に分解され炎症を引き起こすことがあり、これが脂漏性皮膚炎です(脂漏性湿疹とも言う)。皮脂から脂肪酸の分解にはカビ(真菌)や紫外線が関与しています。
■症状
赤みと、いわゆる「フケ」が主で、じくじくするものもあります。出来やすい部位は頭皮・髪の生え際・眉毛・耳の中・耳の後ろ・鼻の脇・脇の下・乳輪です。
■治療
塗り薬は主に外用ステロイド剤で、外用抗真菌剤を併用することもあります。飲み薬としてはビタミンB2、B6剤、抗アレルギー剤などを使います。 日常の食生活では、ビタミン群を多く含む食品 (レバー、シジミ、牛乳、卵、ほうれん草、トマト、キャベツ、椎茸など) などを摂るようにし、逆に皮脂分泌を高める食品 (脂肪分、糖分、ナッツ、コーヒー、アルコール、香辛料など) を控えると効果があると言われています。
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シリーズ5 帯状疱疹
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■帯状疱疹の症状
初めは神経痛に似たピリピリとした痛みが出て、2~3日後に赤みを伴った水疱、赤いボツボツが現れ、全体として帯状に並びます。2~3週間でびらんを経てカサブタとなります。でき易い部位は、胴体の上側、胴体の下側、顔・頭、下肢、上肢の順で、症状が右か左のどちらか片側に出現するのが特徴です。稀に長く神経痛が残ったり、顔面神経麻痺、難聴、味覚障害を合併することがあります。
■原因
この病気は水痘・帯状疱疹ウイルスによる感染症です。幼児期の水痘(水ぼうそう)が治った後も背骨の神経(脊髄)の神経節(神経と神経の中継点)にこのウイルスが潜んでおり、何かのきっかけでウイルスが再び活性化するとこの病気になります。
■治療
皮膚症状が現れて5~7日目までにウイルスが増えるのを抑える「抗ウイルス薬」を使用することにより、痛みや皮膚症状が改善され、後に残る神経痛の予防にも役立ちます。 重症例では症状を軽減させるためにステロイド剤内服を併用することがあります。
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シリーズ6 足白癬
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■足白癬 (あしはくせん) とは?
「水虫」のことです。実際は「虫」ではなく「白癬菌」というカビによって起きます。頭にできるシラクモ、股部にできるインキンタムシもこのカビが原因です。
■本当に「水虫」?
足が痒くなったり皮がむけてくると「水虫だ」と早合点して自己治療に走る人も少なくありません。しかし「自己判断による水虫」の患者さんを専門医が診察すると「水虫以外の皮膚病である人が約4割」ともいわれてます。専門医への受診が水虫退治の第一歩です。
■診断・治療・予防
顕微鏡で白癬菌がいることを確認して診断します。水虫には趾間型、小水疱型、角質増殖型の3つのタイプがあり、そのうちの幾つかが重なっているものもあります。爪に菌が入っていなければ塗り薬で治ることが多いのですが、頑固なタイプの水虫では飲み薬が必要です。また、水虫の人が使う浴室の足拭きマットには足からはがれた皮が多数付着しているので白癬菌もウヨウヨいます。家族への感染を防ぐためにはスリッパやマットを共用にしないことも大切です。
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シリーズ7 ホクロ
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■ホクロ
正式には「色素性母斑」あるいは「母斑細胞性母斑」と言います。褐色から黒色までの色素斑で扁平または隆起し、毛を有するものもあります。出生時からあるものと3~4歳頃より生じて次第に増えるものがあり、「色素性母斑」のうち小豆大までの小さいものは「ホクロ」、出生時からあり比較的大きいものは「くろあざ」と呼ばれているようです。
■治療
ホクロは良性であり、ほとんどの場合治療の必要がありませんが、必要な場合は手術して取ります。注意すべき点は、ホクロの様に見えても実際は
1.脂漏性角化症、2.光線角化症、3.基底細胞癌、4.悪性黒色腫、5.その他の皮膚腫瘍、であることも少なくありません。
1は良性腫瘍、2は前癌状態、3、4は悪性腫瘍です。1の治療は、A=液体窒素療法あるいはB=手術、2、3は手術ないしC=皮膚生検が必要で、早めに手を打てば大事に至らずに済みます。「皮膚生検」と言うのは病変の一部を採って顕微鏡的な検査(病理組織検査)を行うことです。A・B・Cとも当院でおこなっています。
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| シリーズ8 ニキビ |
■ニキビ正式には「尋常性 瘡(ざそう)」と言い、顔、頸部、前胸部、背面が好発部です。毛穴に一致した部位に、ポツポツ(丘疹)が出来ます。ポツポツには黒いもの(面皰「めんぽう」)、赤いもの、先端が膿んだようなもの(膿疱)があります。思春期の内分泌変動で皮脂腺の機能亢進を生じて毛穴が詰まったり、その結果出来た面皰が炎症により破壊されるために上記のポツポツが生じます。25歳を過ぎる頃から、自然治癒することが多いですが、女性では30~40歳代でも見られます。
■治療・予防治療として ①テトラサイクリンの内服、②抗菌剤入りのクリーム外用、③ビタミンB2・B6の内服が行われます。また、④食餌(チョコレート、落花生、コーヒー、ココアなどを避ける)、⑤整腸(便秘を避ける)、⑥生活の規則化(充分な睡眠、ストレスを避ける)、⑦洗顔、⑧化粧品(油脂性クリーム・ファンデーション禁止)、⑨外的刺激(髪が顔にかからないヘアスタイルにする、頬杖を避ける)に留意することが治療を助けたり予防になることがあります。
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| シリーズ9 爪の水虫 |
■症状
「足の水虫が治りにくい」とお悩みの方の中には、爪の色が変色したり分厚く変形している人がいます。それは「爪の水虫」かも知れません。「爪の水虫」は正式には「爪白癬」と言い、足の水虫も爪白癬も原因はどちらも同じ白癬菌です。足の水虫歴が長いほど爪白癬にかかっている人の割合が多くなり、6年以上の水虫歴を持つ人の78%、10年以上の水虫歴を持つ人の85%は爪白癬にかかっているとも言われています。
白癬菌は足から爪へ、爪から足にうつるので、せっかく足の水虫の治療をしても爪に菌がいる限り再発を繰り返します。診断するには爪の濁った部分を削り、顕微鏡で観察する必要があります。
■治療
塗り薬だけでは爪の中にいる菌まで薬がしみ込まない事が多く、爪白癬の治療は内服薬が主流になりつつあります。治療薬は6ヶ月間位飲み続ける必要があり、その間採血検査も必要です。また別の病気で既に他の薬を内服している場合は、その薬の内容を診察時にお知らせ下さると、速やかに治療を開始することが出来ます。
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| シリーズ10 じんましん |
■症状
「皮膚が赤くなる、盛り上がる、ムズムズ、チクチクかゆい」この様な状態が突然現れては1~数時間で消える…ということを何度も繰り返す、という症状が現れたら、それは蕁麻疹(じんましん)かも知れません。
■原因
実は原因・誘因がわからないものがほとんどなのです。
原因・誘因が明らかなものとしては
▽食物(鶏卵、牛乳、エビ、カニ、貝、食品添加物など)、薬剤(抗生物質、サルファ剤、解熱鎮痛剤など)などに対するアレルギー
▽アレルギーではないが、ほうれん草、なす、そば、たけのこ、サトイモなどの摂取
▽摩擦、寒冷、温熱、日光などの刺激▽運動、入浴、精神の緊張、の様なストレス等が挙げられます。
■治療
①主な治療は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服です。副作用として眠気を催すものが多いので、場合によってはクルマの運転などを避けねばなりません。
②原因・誘因の除去は難しいですが、可能な場合もあります。
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| シリーズ11 アクロコルドン |
■頚部のポツポツ
頚部(くび)や脇の下にできる米粒の半分くらいまでの大きさのポツポツを「アクロコルドン」あるいは「スキンタッグ」と呼びます。スキンタッグとは直訳すれば「皮膚の切れ端」という意味です。大きくなってぶら下がったり、10数個~数10個になることがありますが、痒みはないか、あっても軽度です。「外見が悪い」「衣服の脱着時に引っかかり出血する」という理由で受診する方も少なくありません。頚部・脇の下だけでなく、まぶた・鼠径部・体幹にもできます。10~50歳に出来始める人が多いと言われてますが、受診は中年以降の方が多いです。
脂漏性角化症(老人性イボ)と軟性線維腫が混在しているのがこの病気の本体であり、この2つともに良性の腫瘍です。
■治療
一般的には ①液体窒素療法 ②麻酔下での電気焼灼、が行われますが、当院では①を行っています。病変の数が多い場合は①を何度か繰り返します。治療後色素沈着をきたすことがありますが、月日とともに治療直後よりも薄くなります。
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| シリーズ12 とびひ |
■とびひ
正式には「伝染性膿痂疹(のうかしん)」といいます。夏季に0~5歳小児に好発し、顔面、体幹、四肢に水疱が次々に出現し、容易に破れてびらんやカサブタを生じます。
■原因
黄色ブドウ球菌と溶血性連鎖球菌によって起きる表在性の細菌感染症であり、痒みを伴い、伝染力は強いです。
■治療
主な治療として抗菌薬の内服が行われ、セフェム系薬、ペニシリン系薬、ホスホマイシン、ニューキノロン系薬などが使われます。またスキンケアも大切です。病変部を消毒したり、抗菌薬を塗って1日中覆っておくよりも、頻回に(1日2~3回)入浴・シャワーにて石けんで全身を洗浄したほうが良いです。その際、細菌の病巣になりやすい鼻の周囲は念入りに洗浄し、また子供の爪を(できれば母親の爪も)短く切ることも必要です。
痒みが強い場合はステロイドを含む抗菌外用剤を塗ったり、抗アレルギー剤の内服を併用することもあります。
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